9時前に成田空港に到着する。集合時間は10時45分だったが、各自でチェックインするシステムになっており、受付が7時すぎから始まると聞き、少しでもいい座席を取ろうと、朝食も食べずに家を出てきた。
団体カウンターで無事搭乗手続きを済ませて、空港のレストランで少し値のはった朝食をゆっくりといただく。客がひっきりなしに出入りし、やはりまだ夏休みのうちなのか、空港を利用する人は多い。
集合時間まで、空港内の売店を歩く。空港会社のサービスカウンターで、節子は、ガイドブックからオランダ語会話の部分をコピーにとる。その他、旅先で出会った外人にあげられるような日本風のキーホルダー、財布やメモ帳、電卓などを購入し、最後の旅支度を整える。銀行に行き、ユーロへの両替も済ませておいた。
やがて集合時間が近づき、指定されたカウンターにむかう。すでに同行の人たちが何人か集まっていた。全部で18人と聞いていたが、年配の人が多い。実際に、夫婦連れのなかでは、私たちが最も若かったようだ。
お世話になるのは、福永さんという女性添乗員だ。 ベテランのようにも見えるが、年齢は不詳。にこやかでたえず笑顔を絶やさない。
飛行機は出発予定時刻からやや遅れて、13時すぎに空港を離陸した。節子の隣に座った女性もツアーの仲間で、お互い話が弾んでいたようだ。飛行機のなかは、離陸してしまえばやることもなく、2度の機内食が出され、その都度、ビール、ワインをおいしくいただく。ほんとはウイスキーも飲みたかったが、旅は始まったばかりであり、体調を考えてガマンした。
●アムス到着、ヨーロッパはひんやりと秋の気配
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途中、たびたび揺れることもあったが、我々を乗せたJAL411便は、無事、ほぼ定刻にオランダ・アムステルダムのスキポール空港に到着する。現地時間では、すでに18時を過ぎていたが、太陽の位置は日本でいえば午後を回ったくらいで、日が暮れるのは、夜の9時頃らしい。
空港のスーパーで水や果物、食料品などを買って、大型バスに乗り、ホテルへ向かう。日差しはまぶしいが、外気はひんやりとしており、秋を感じさせる。日本が異常な猛暑だっただけに、はるばるヨーロッパにやってきたという気持ちになる。
用意された大型バスは18人の団体には広すぎて、それぞれのカップルが間隔を開けてゆったりと座っている。添乗員の福永さんからは、成田空港で注意事項のプリントが渡されたが、その中に、座席が不公平にならないように、毎日、ローテーションに心がけよと書いてある。今回の旅行は国境を超えて、オランダとベルギーの間を往復し、のべ600キロ以上をバスで移動することとなるが、旅行期間中、みんな、その指示を守って、適当に毎日席替えをしていた。
初日は、アムステルダムから約60キロ離れたハーグの「ドリントホテル」に宿泊。まだ日は高かったが、付近にはレストランもなく、また、どこに出かける元気もなく、疲れ果ててベットに入り、明日に備えることとする。