9月10日 パリに到着

PIC_0307  天気はさわやかに晴れていた。前夜一雨降ったこともあり、サウナの暑さから解放されて涼しい朝になった。朝食をとったあと、旧市街を散歩してみることにした。昨日訪れた法王庁、ノートルダム寺院をふたたび回る。その途中に、サン・ディ・ディエ教会に立ち寄ると、ちょうど朝のミサの時間だった。人は少ないが、薄暗い教会の祭壇で牧師が説教していた。礼拝堂の両側には、マリアやキリストなどの像が飾られていた。

CIMG5904  ノートルダム寺院に行ってみたが、修復中で中に入ることはできなかった。入口の前のテラスは見晴らしが良く、法王庁の前の広場を見渡すことができた。城壁の外の風景も見えた。

 旧市街の路地のあちこちにアビニヨン橋への方角が矢印で示されており、これにしたがって角を何回か曲がると、城壁の門が見えて、外に出てすぐの所にあるアビニヨン橋の前にでた。城門の先が跳ね橋のようになっていて、見ていると跳ね橋がだんだん降りてきて、橋と城門がつながった。

CIMG5908  跳ね橋をバックにして写真を撮り、結局、土産も買わずにそのまま引き返してホテルまで帰ってきた。通学の学生が多く、フランスの学生はこんなに朝早くからまじめに講義に出るのだろうかなどと思ったりもした。

■超特急TGVで花の都パリに到着

 9時にホテルを出発する。今日はフランスの超特急TGVで、いよいよ花の都パリに入ることになっていた。TGVのアビニヨン駅へとバスでむかう。ホテルのすぐそばにも同じ名前の駅があるのだが、いわゆる在来線と新幹線の駅を分けているらしかった。

CIMG5917  9時20分くらいに駅に到着し、10時14分発の列車には少々時間があった。TGV専用のアビニヨン駅は大きな駅だったが、構内には本屋とコーヒーショップ、小さなみやげ物屋くらいしかなく、特に買うものもなかったので暇をもてあました。

 駅には、日本人団体客も多く見かけ、「旅物語」のタグを付けたツアーの一行もいた。その他、「リッツインターナショナル」という聞いたことのない旅行社の団体客もいた。どうやら九州の福岡の会社らしい。もちろん地元の人たちが圧倒的に多かったが、やはり世界に名だたるTGVの駅の雰囲気がした。

CIMG5916  ここでも、電車の中をスーツケースを引いて移動することなく、ポーターが全員の荷物をまとめて、荷物専用の車両まで運ぶ必要がなくて楽だった。わたしたち一行は7号車だったが、どの車両がホームのどのあたりに止まるのかは20分前にならないとわからないそうで、その表示がでたところで急いでホームに上がった。

 ホームで待っていると、ほどなくして2階建ての車両がすべりこんできた。ガイドのユキコさんは駅まで付いて来てくれていて、窓の外で手を振ってわたしたちを見送ってくれた。彼女は、「ということで」が口癖になっていて、少し耳障りなところもあったが、地元アビニヨンに住んでいることもあり、ガイドは適切だった。ただ、時間の狂った時計を着けていたこと、本人は方向オンチと言ってはいたが、事前の段取りがいい加減なことなど不満はたくさんあった。と苦言を呈しつつ、ひとまず感謝しておきたい。

CIMG5919  TGVは、最高速度320キロでフランス国内を走る世界一の高速鉄道だ。駅を出れば、すぐに田園地帯となり、日本のように住宅街への騒音を配慮する必要もなく、まっすぐな線路には防音壁もなく、景色がよく見えた。わたしたちが乗った2等車は席の方向が決まっていて、日本の新幹線のように席を回すことはできない。いくつかの席が向かい合わせになっているのは、家族連れのことを考慮したのかもしれない。

 しばらくして、愛想の良さそうな男性の車掌が検札にやってきた。退屈だったので、他の車両を回ってみると、日本人団体客が配られた弁当を車内で食べていた。パリ到着は13時の予定だし、ここで弁当を食べれば時間の節約にもなる。わたしたちも弁当にしてもらっても良かったのだが、今日の昼食は、パリのレストランでエスカルゴを食べることが決まっていた。

PIC_0332 つづいていた田園風景は、突然、住宅街に変わり、予定の時間を寸分狂わず、13時ちょうどにTGVはパリ駅に到着した。旅行社の現地社員に連れられてバスに乗り込む。パリ駅は大勢の人々が行き交っていた。さすが花の都にやってきたという雰囲気だ。観光客も多く、中国人の団体なども多くいた。

エスカルゴ
エスカルゴ料理

 バスでパリ市内を回り、凱旋門やノートルダム寺院を車窓から拝見する。これらは、明日の観光コースには入っていない。市内の渋滞もあり、昼食のレストランに入ったのは、すでに14時を回っていた。そのうえ、名物エスカルゴが出てくるまで時間がかかり、やはり弁当にしてくれた方がよかったなどと悔やみながら、初めて食べるカタツムリを味わったのだった

■下品な男性ガイドにがっかり

CIMG5947  ようやく食事が終わり、バスでベルサイユ宮殿に向かった。パリから36キロほど離れたところにあるベルサイユ宮殿は、817ヘクタールの広さを持つ。昔は7,800ヘクタールで周囲は42㎞あったそうだ。山手線1周が38㎞なので、いかに広かったのかがわかる。この宮殿はルイ14世が建造し、ルイ16世が悲劇の女王マリーアントワネットとともに処刑されるまで107年間使われていた。

CIMG5958  現地で日本人男性のガイドと合流し、宮殿の中に入る。このガイドが少し品のないところがあり、書き記すのもはばかるようなことをとめどなく解説するのには閉口した。広大な宮殿の見学に要した時間は、わずか40分程度であり、どんなガイドを受けたのかはあえて省略することにする。

 17時半にバスに乗り込み、ベルサイユ宮殿を出発してパリ市内に引き返す。バス車内で添乗員の粟屋さんから、マルセイユでのバスタブの顛末についてあらためて説明があった。旅行案内には、シャワーになるとの記載があったのは事 実であり、手続き的には何の問題もないが、ただし、みなさんに周知徹底していなかったのは旅行社に落ち度があり、そのことを粟屋さんは謝罪した。そのうえで、おわびの印に一人ひとりにおみやげを渡すこと、最後のディナーでワインをJTBからサービスさせてもらうことなどを話した。

CIMG5966 その約束通りに、高級レストランでの夕食はワインが振る舞われ、みんなパリの夜を楽しんでいるようだった。とても丁寧な対応は、さすがJTBと思わせる。昼間は下品なガイドに気分を壊されたが、一日の締めくくりは満足したのだった。

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